Interview

山田耕平「ディマクコンダ」インタビュー

たったひとりの日本人青年から始まったエイズ予防、啓発の歌。
アフリカ、マラウイの地にて、音楽番組のヒット・チャートで1位を獲得したという「ディマクコンダ」の物語は、TBS系番組「ブロードキャスター」で取材され、大きな感動と話題を呼んだ。 日本でのリリースに際し、この曲の生みの親、山田耕平にこの曲が生まれるまでについて語ってもらった。

(text NOBUHIKO MABUCHI(BIORANGE))

作品紹介

「ディマクコンダ」
ESCL-2859?2860
EPIC
¥1,500(税込)
2006/8/30発売!!
着うた® 他

この曲を通して、多くの人たちがエイズのことをもっと真剣に身近なこととして考えて欲しいですね。

アフリカ南東部にあるマラウイ共和国で、甚平姿がトレードマークの日本人青年が絶大なるリスペクトを受けている。山田耕平、26歳。彼が現地のチェワ語で歌う曲「ディマクコンダ」はマラウイの音楽チャートで3ヶ月連続1位を記録し、いまや子供から大人までが口ずさんでいる。そう、彼は日本からやってきた国民的スターなのだ。
「もともと青年海外協力隊員の村落開発普及員としてマラウイで仕事をしていまして。そこで生活をしていると、毎日のように人が亡くなっていくんですよ。死因の多くはHIV。マラウイでエイズは深刻な社会問題なんです。だから何か自分も出来ないかと、若者たちの心に届くような歌を作ろうと思ったんですよ」
国民の14%がエイズ感染者という現状にも関わらず、マラウイではカウンセリングとHIV検査(VCT)へ行って予防に務める人は残念ながら少ない。そんな現実を前に山田が書いた歌が、エイズ予防啓発ソング。かと言って、決して説教っぽい内容ではない。彼女を愛するがゆえにエイズ検査を受けた彼が不幸にも陽性と診断され、悩んだ挙げ句に彼女へ別れを告げる…といった物語。しかし山田は、このストーリーの結末を〈君は突然泣きやんで僕に言ったんだ 何言ってるのよ、 私たちはずっと一緒よって>という歌詞で締め括っている。タイトルの「ディマクコンダ」は、チェワ語で「愛している」の意味。山田のメッセージは、このタイトルにも深く刻み込められている。
「いま、カップル間でのエイズ感染が拡大しているんです。そんな悲しいことってないじゃないですか。愛する人のためにもHIV検査へ行くべきだってことを、この歌で伝えたかったんです」 
歌詞を書き上げた山田は、バックトラックの制作をマラウイのトップ・ミュージシャン、ムラカ・マリロに依頼。アフリカン・ミュージックの陽気なリズムにのせ、山田の温かい歌声が響く。思わず口ずさんでしまうPOPサウンドもまた、多くの人たちの心を揺らしている要因だ。
「僕もマラウイに行くまで、エイズを重要な問題とは意識していませんでした。今、日本ではコンドームの消費量が減っているように、エイズを深刻な問題として捉えていない若者も多い。エイズは本人が感染に気がつかず、知らないうちに移してしまう場合もあるんですよね。これって、マジでヤバいことですよ。日本は先進国の中でも、HIVの新規感染者が年々増えている国なんです。アフリカで実際に起こっている悪い例があるのだから、今ここで食い止めることが必要だと思うんです。この曲を通して、多くの人たちがエイズのことをもっと真剣に身近なこととして考えて欲しいですね」
山田がマラウイに住む人々の心に深く刻み込んだメッセージは、海を超えて凱旋帰国を果たした。このラヴ・ソングが持つ意味をひとりひとりがしっかり感じとることで、世界は大きく変わるはずだ。ちなみに「ディマクコンダ」の収益金の一部は、マラウイのカウンセリングとHIV検査センター設立費用として寄付される。
オフィシャルサイト
山田耕平「ディマクコンダ」特集
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