Interview
すごいアルバムだ。WRENCHが約3年振りに8thアルバム『nitro』を携えて帰ってきた。ロック大噴火の原始衝動、ここに極まる!
(text:荒金良介)
- ――今作は久しぶりの音源になりますよね。別にバンド活動を休止したわけでもなかったわけですが、地下に潜っていた印象を受けました。
- SHIGE(Vo):そうっすね。レーベルとも一段落ついて、それまでは年に1枚のペースでシングル、アルバムとリリース・ラッシュだったんで。その辺でちょっと頭が固くなってたというか。これはいいタイミングだと思って、ちょっと“どフリー”になって、新しい核になるものを探そうと。で、潜るのならとことん潜ってやろうと。大きいハコでやってたのを、小さいライブ・ハウスに縮小して。それで本当に見つめ直せたし、サボれたし(笑)。このサボれたというのがまたよかったんですよ。
- ――ほかの10年選手バンドを見ても、規模を縮小させることはすごく勇気がいることだし、もう浮上できなくなる可能性も十分秘めているわけで。
- SHIGE:ああ、その辺はもう覚悟を決めたというわけじゃないけど、自然の流れにまかせて。自分たちのやりたい音がしっかりしてないままやるよりも、もうちょい自分らに正直にやった方がいいんじゃないかなと思って。
- ――さきほど頭が固くなってたと言ってましたけど、それは?
- SHIGE:まずね、同期モノを前々作『OVERFLOW』から取り入れて、デジタル・ロックみたいなことをやり始めたんですけど、うまく表現しきれなかった部分もあって。ハード・ディスクが流れて、それを聴きながらリズム隊がプレイするんだけど、すごくつまんなそうにやるんですよ。自分らが熱くなれないというか。それが決定的なとこだったりもして。これじゃあ長続きしねえだろうって。
坂元(G):結局支配されちゃうんですよね。例えば、ああいう打ち込んだものをライブで流すと、そのハード・ディスクから出る音は正直なんで。ステージによってテンションを上げたいけど、そういうものが冷静に流れてると、つられちゃうというか。 - ――ああ、なるほど。だけど、今作はデビュー作ぐらいの勢いが出てますよね。
- SHIGE:そうそう。人生二度目の1stアルバムみたいな感じで。
- ――僕の勝手なイメージだと、原始人がイノシシ捕まえてその肉を食らって、遠くでは火山がボンボン噴火してて、夜はキャンプ・ファイヤーして踊り狂って寝る。『はじめ人間ギャートルズ』みたいなアルバムだなと。
- SHIGE:はははは、それ最高っすね。
坂元:まさしくそうですね(笑)。MUROCHINの肉々しいドラムでウチらも引っ張られてるわけだし、人間の出すグルーブが大事だなって。
SHIGE:頭の使い方が違ったんですよね。この3、4年前の作り方って、曲のテーマを決めてそこに向かっていく感じだったんだけど。今回はまったく考えずにその場のスタジオで行って…。
- ――僕が言ったそのままじゃないですか。
- SHIGE:当たってるから悔しいんですよ(笑)。何か言いたいじゃないですか。
坂元:バッチリ伝わってるということですよ。
SHIGE:WRENCHはここしかないというものが明確になりましたね。 
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