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アタゴオルは猫の森

アタゴオル レビュー

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連載開始から30年以上も愛され続けるますむらひろし原作「アタゴオル」シリーズが3D-CGアニメーションで映画化された。タイトルだけではわからない人も、ポッコリとしたお腹が特徴の2本足で立って歩く猫のキャラクターと聞けば、ピンとくるはず。

その名はヒデヨシ。大好物の紅マグロのためなら友達をも裏切るお調子者だが、どこか憎めない愛すべきキャラクターだ。本作ではそんな彼が猫と人間とが共存するユートピア“アタゴオル”の運命の鍵を握っている。監督の西久保瑞穂自身がヒデヨシの大ファンで、今回の映画化にあたって、「アタゴオルの肝である“ヒデヨシ”の前向きなパワーを一番描きたかった」という。確かにこのヒデヨシ、最悪の環境でも自分を順応させ、生きること、食べることに執着する。さらには「トコトン生きるために生まれてきたのよ!」と常に前向きな発言が飛び交い、その過剰なまでの彼の生命欲に驚いてしまう程なのだ。

しかし、冷静に考えてみると、その生命欲こそが高度成長期以降、物質的にも精神的にも満たされた現代の日本で、今最も軽視されている欲ではないだろうか?“お金が全て”が常識になりドライな人生が持てはやされる一方で、(全員がそうだとは言わないが)生きる意味がわからなくなったニートや若者の自殺者が年々増加している。こういった現状を見るにつけ、私たちは生命に対する根本的な欲をどこかに忘れてきてしまったのだと反省せずにはいられない。

人生に何か目的を持つことも個性を磨くことも、全ては生命欲があってこそ初めて意味が生まれてくる。こんな時代だからこそ、お調子ものだが生命欲溢れるヒデヨシから、もう一度“生きる”ことを見つめ直すことが必要なのかもしれない…。

アタゴオル トリビア

◆トリビア1
音楽監督の石井竜也は映画監督の顔も持っている!?
[answer]
今回、音楽を担当したのは米米CLUBの石井竜也。今や空間プロデューサーとしても活躍し多彩な才能を発揮している彼は、実は映画監督としての一面もあり、『河童』『ACRI』の2作品を発表している。
◆トリビア2
アタゴオルの由来は東武東上線愛宕駅!?
[answer]
今物語の舞台となるヨネザアド大陸の一角、アタゴオル。実はこのアタゴオルの由来は原作者ますむらひろしが当時住んでいた千葉県野田市の愛宕と故郷山形県米沢市の愛宕山の連想から生まれたのだそう。
◆トリビア3
『アタゴオルは猫の森』と『デスノート』の意外な関係?
[answer]
今回CG制作を手がけたのは、既存のジャパニメーションとは一線を画す斬新な映像センスが特徴のデジタル・フロンティア。最近では大ヒットした『デスノート』の死神リュークを制作したことでお馴染。今後の活躍から目が離せない映像プロダクションなのだ!
■監督
西久保瑞穂
■原作
ますむらひろし
■声の出演
山寺宏一、平山あや ほか
■上映時間
81分
■配給
角川ヘラルド映画
■公式サイト
アタゴオルは猫の森
(C)2006ますむらひろし・メディアファクトリー/アタゴオルフィルムパートナーズ

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