Cinema/映画特集一覧

監督・ばんざい!

得意のギャング映画を自ら封印した世界のキタノ・タケシがヒット作を目指して動き出した!? カンヌ国際映画祭60回記念企画「To Each His Own Cinema」にて“世界の映画監督35人”に日本人で唯一選ばれた世界の北野武監督が作った一大怪作コメディを大特集! なんと、監督も登場しちゃいます♪

イントロダクション

“世界のキタノ”こと北野武監督が奇想天外なウルトラ・バラエティ・ムービーを撮ってしまった!

物語は世界のキタノ・タケシ監督が最も得意とするギャング映画を「二度と撮らない」と宣言してしまったことから始まり、とにかくヒット作を作ろうと巷で流行の映画に挑戦するのだが、どれもぶっとびすぎ!しかも、次から次へと飛び出すギャグに目が点・・・。これまでの“世界のキタノ”のイメージを監督自身がぶち壊します!

キャストもキテます!!

キャストは岸本加世子、寺島進をはじめとしたおなじみの北野組がバラエティさながらに笑いの演技を披露!さらに大御所、江守徹が役者生命スレスレの怪演を見せ、鈴木杏もギャグを炸裂させます。

カンヌ映画祭で上映された初短編映画が上映決定!

カンヌ国際映画祭60周年記念イベント「To Each His Own Cinema」にて上映された北野武監督初の短編映画『素晴らしき休日』が急遽日本で上映されることが決定!!6月2日から最新作とともに鑑賞できます。こちらもお見逃しなく!(6月1日(金)<映画の日>より一部劇場にて先行上映あり。詳細は公式サイトでご確認ください)

『素晴らしき休日』

インタビュー

映画の楽しさや映画監督の苦悩をシュールな“笑い”で描いた本作。この作品から見える”世界のキタノ“の姿とは?

◆プロフィール
1947年1月18日生まれ。東京都出身。今年のカンヌ国際映画祭60回記念企画「To Each His Own Cinema」にて世界の映画監督35人に日本人で唯一で選ばれる。『その男、凶暴につき』(1989)で監督デビュー。以後、『あの夏、いちばん静かな海。』(1991)『ソナチネ』(1993)など作家性溢れる作品を発表し、『HANA-BI』(1997)でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し評価を不動のものにし、『座頭市』(2003)でベネチア国際映画祭監督賞を受賞。本作は13作目にあたる。
――“映画メディア”に対する行き詰まりを感じて今回の作品を撮られたんでしょうか?
あんまりにも自分に対するイメージが固定されていて、特に海外ではギャング映画とか死をテーマにしたとか、そういうので縛られることがあったし、『TAKESHIS’』でひどいとこ来ちゃって、まずいなと思って。そういうイメージを全部取っ払わないと新しいものはできないなと感じて撮ったのがコレだけど。お陰様で今までのキャリアをすっ飛ばした感じがあるし、次の映画の方向性も見えてきたからだいぶ楽になったね。ただ、この映画の中でシチュエーションが違う映画を何本か撮ってるけど、それがすなわち(映画メディアの)行き詰まりっていうのはあるだろうな。
――ギャング映画を封印してしまった監督がそこから脱却するために思考錯誤した結果、とんでもない映画を作ってしまいますが、作品創りに対する行き詰まり感が、新たな力を発揮するとお考えですか?
うーん、行き詰まる前に逃げるタイプだから(笑)。物事を突き詰めたことがないし。ひとつの仕事に食い下がったことないんだよね。大学も工学部(現在の理工学部)機械工学科に進んだんだけど、学園闘争の前に逃げてるし。どうせ出世しないと思って。で、浅草行って漫才師になるけど、ブームになる前に逃げているんだよね。目先が利くんだと思う。だから映画を愛していながらオレぐらい冷たいヤツはいないと思うよ。“どうせ映画じゃないか”と思ってるんだけど。黒澤(明)さんとか“映画を愛する”って言うじゃない。LOVEとかLIKEで言うなら、なんとオレはHATEになる。だから、平気で当んない映画を作ってきたっていうのはあるのかも。『座頭市』しか当ってないし。
――それは、先に行き過ぎて、周りがついてこられないのかもしれないじゃないですか!
そう思いたいけどさっ。今はタイトルを聞いただけでどんな映画かすぐわかるような映画にいっぱい客が入るじゃない。そういう映画は作りたくないっていう自負はあるから、でも、“できんのか”って言われるとそう言われればそうだなって。で、この中でそういう映画も撮れるんだってやってみるんだけど、やっぱりダメだったってお笑いに逃げているところがあるんだろうな。
――ジャンルが違う映画に挑戦して、それに対してナレーションでツッコミが入りますね。
何本か違う映画を盛り込んだんだけど、怪奇モノとして撮った『能楽堂』は別として。それ以外はツッコむことを前提としてなくて、真面目に撮って編集して、それをオレが客観的に観てツッコむところを探したわけ。結局自分で自分をツッコんで、それを(ナレーションの)伊武(雅刀)さんに言わせたんだけど、全部的を得てんだよね。結構好きだなと思ってて。
――TVの「たけしのコマネチ大学 数学科」もやっていらっしゃいますし、この映画では数学的な絡みというのはあるんでしょうか?
う~ん……。おかしな話なんだけど、ウラン235は奇数なのね。で、中性子が一個入ると分割できるから核分裂が起きるんだけど、奇数というのは一瞬にして割れる予備を持っていて。偶数は最初から割れる準備をしているけど、奇数が入ると割れずに固まってしまう。だから何かあったときにエクスプロジャーするように、常に観る対象にとって奇数で構えてるんだけど。で、オレは基本的にフィルム編集は奇数なんだ。それが自分にとって心地いいんだよね。バラついたカウントだと不快になる可能性もあって・・・。無理矢理、理屈をつけるわけじゃないけど、怪奇モノはカット割りの秒数を奇数偶数バラバラにしている可能性もあるんだよね。
――それを監督の『能楽堂』に入れればよかったですね(笑)。
あれは端からダメだったね(爆笑)。よくあるホラー映画をバカにしようと思ったんだけど、あれは情けなかったな(笑)。
――今回の作品で予想しなかった笑いのシーンはありますか?
一番、予想通りっていうのが江守(徹)さんだね。江守さんをキャスティングして笑わせるにはどうしたらいいだろうと思って脚本書いたから。想像以上に役を作ってきてくれたし。井手(らっきょ)の場合はあんまりつまんないんで(笑)、根気強く撮りまくって余計なところはカットしてそれを繰り返すような編集をしてお客さんが笑わなきゃしょうがない追い込んだ状態にしたの。ずいぶん勇気がいることだけど、要するにゴリ押しだから。笑うしかない状態にお客さんを追い込んだ編集は大したもんだとほそくえんでんだ。
――現場で出来た笑いもあったんですね。
完全計算したのと現場でこっちのほうがいいなと思ったのと両方あるんだけど、今のところうまくいってるかなと思ってる。
――映画では“世界のキタノ・タケシ”はギャング映画を撮らないと言っていますが、監督自身はどうですか?
ギャング映画? 撮る撮る(笑)。それも映画のネタだから(笑)。ギャング映画はね、大物俳優で撮りたい。あと、大物俳優で撮りたいのはお笑い映画。絶対、お笑い映画を撮りたくてね。その役者がひとこと言うと周りがズッコけるの(笑)。『1941』(スティーブン・スピルバーグ作品/1979年)の三船(敏郎)さんよりもっとすごい海軍隊長にしてね、「突撃!」っていってすぐ帰ってきちゃったりして(笑)。「ウソつき!」って女に言われて「だってコワイんだもん」っていうのやりたいんだよね。壮絶だなと思うんだけど(笑)。

ストーリー

最も得意とするギャング映画を「二度と撮らない」と宣言してしまった世界の映画監督キタノ・タケシ。とにかくヒット作を作ろうと巷で流行の映画<小津安二郎風人情劇>、<昭和30年代映画>、<ホラー映画>、<ラブ・ストーリー>、<時代劇>に挑戦するのだが、どれもぶっとびすぎでいまいち納得がいかない。そこで考えたキタノは・・・。


■監督
北野武
■脚本・編集
北野武
■出演
ビートたけし、江守徹、岸本加世子、鈴木杏 ほか
■上映時間
104min.
■制作国
日本
■配給
東京テアトル/オフィス北野
■公開
6月2日(土)~テアトルタイムズスクエアほか全国にて公開
■公式サイト
『監督・ばんざい!』
©2007 バンダイビジュアル・TOKYO FM・電通・テレビ朝日/オフィス北野

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